会計思考 損益思考編
定量的な企業分析の導入として、損益計算書の実践的な捉え方を身につけます。

ゴール
定量的な企業分析の導入として損益計算書の実践的な捉え方を身につけます。具体的には、売上高と営業利益のシナリオの立案をゴールとし、「X+1期(当期)」の売上高と営業利益をスプレッドシート(Excel)を利用しないレベルで検討します。
ゴール設定の背景
売上高と営業利益のシナリオの立案は、定量的な企業分析の導入として適切な難易度で、かつ実務で頻出の視点なため、本コースのゴールとしています。
- 経営:「どこまで事業を伸ばせるか?利益をどれだけ作れるか?」
- 取引先:「取引先の業績に問題はないか?与信は十分か?」
- 銀行:「貸出先の利益はいくらになるか?貸付金の返済に支障はないか?」
- 株主:「投資した企業の利益はいくらになるか?株価はどうなるか?」
概要
レクチャーとケース演習を通じて損益の捉え方を身につけます。具体的には、売上高の分析(市場規模と市場シェアによる理解)と、費用構造の分析(変動費率と固定費による理解)に取り組み、売上高の成長性、事業の収益性や利益シナリオを数字でどのように考えるか理解していきます。ケース演習では、主にANAホールディングスの航空事業を分析します。
できるようになること
あなたは上場会社A社のことを初めて調べようとしています。以下に自然と取り組み、A社の概要を数字で理解できますか
- 会社四季報や日経会社情報などと会社のIR情報を確認し、A社の事業内容を初期的に把握できますか
- インターネットで簡単にA社が取り組む事業の市場規模を調べ、市場規模と市場シェアに基づきA社の売上高のこれまでとこれからをイメージできますか
- A社の費用構造を変動費と固定費に基づきイメージし、売上高のイメージと合わせてA社の今後の利益シナリオを簡単に考えられますか
このような問いに数字で答えられるようになります
- A社の売上高は直近期に前年比で20%成長し好調です。今後の成長性をどのように考えますか
- A社とB社はともに売上が成長していますが、A社は成熟市場で事業を、B社は成長市場で事業を行っています。これらの事業環境の違いは、両社の今後の成長シナリオにどのように関係しますか
- A社は航空会社、B社はSaaSを提供するIT企業です。両社の収益性はどのように異なりますか
こんな方にお勧め
- ビジネスを数字で理解したい方
- 財務モデリングや企業分析に取り組みたい方
受講に必要な事前知識など
損益計算書に関する基本的な知識(会計思考基礎編で扱うレベルの理解)
実施形式と受講期限
本コースはすべてシステム(動画)で提供され、いつでも受講を始められます。受講期限は受講開始から3か月後の月末です(例えば、8月に受講を開始した場合、11月末までコースにアクセスできます)。
認証
本コースを修了した方へは受講証明が発行されます。テストなどに基づく評価認証(成績など)は提供されません。
補足事項
- 本コースでは開示情報に基づき分析を行うため、ケース演習は「企業」や「事業」など大きな単位で行います。しかし、扱う考え方は普遍的ですので、「プロダクト」などより小さな単位にも考え方を応用できます。
- 企業分析で役立つ基本的な情報収集のやり方も簡単に紹介します。
構成
合計:5.5時間
- 動画レクチャー:4.0時間
- ワーク:1.5時間
主なトピック
損益思考のフレームワーク | 売上高−費用=営業利益、率で考える、単価×数量で考える |
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事業概要の理解 | 事業概要の理解、事業機能の理解 |
売上高の検討 | 売上高の変化の捉え方、市場規模×市場シェアによる検討 |
費用構造の検討 | 変動費率と固定費、費用構造の検討、売上原価の性格、販管費の性格、事業への理解に基づく費用項目の検討 |
実務で意識する損益思考のポイント | 市場の捉え方、市場規模と市場シェアのどちらを意識するか、市場シェアの意識が不要なケース、市場規模×市場シェアによる検討と単価×数量による検討の使い分け |
情報取得の方法 | 情報取得の主な方法、各IR資料の特徴、初期的に事業概要を把握する場合の動作例 |
制作担当講師

藤波 由剛
プリンシプルズ代表取締役CEOとして、BizObi(ビズオビ)の事業とコンテンツ制作を統括。BizObiでは、起業の経験と前職の投資銀行での知見に基づき、事業分析、バリュエーション(企業価値評価)、事業企画、マネジメントなどのコンテンツを制作提供。