「実践企業分析基礎編」は、定量的に企業や事業を理解したい方が、はじめに身につける必要がある考え方を実践的にまとめたトレーニングです。「売上高の分析」と「費用構造の分析」というシンプルな思考の型で、企業の将来性や事業の特徴を数字で理解していきます。
プリンシプルズ株式会社 代表取締役 CEO。株式会社ワークスアプリケーションズでの法人営業担当を経て、野村證券株式会社にて企業買収の助言業務(M&Aアドバイザリー)に携わる。2016年に社会人を対象に次世代のトレーニングの提供を目指しプリンシプルズ株式会社を創業。起業家として同社を率いるとともに、トレーニングの制作を統括。マネジメント領域のトレーニング開発も手掛ける。シカゴ大学経営大学院修了(MBA)。東京大学法学部卒業(学士)。私立開成高等学校卒業。寄稿・共著「未上場企業を買収する際の情報管理のポイント」『旬刊経理情報』(中央経済社・2018年)、共訳『人事と組織の経済学・実践編』(日本経済新聞出版社・2017年)
「企業分析」は、経営・企画や法人向けの高度な提案営業に必須のスキルです。企業分析にはさまざまなアプローチがあり、とりわけ「定性的な分析」から入るか「定量的な分析」から入るかで入口が大きく異なります。本プログラムは、実務で求められる「定量的」な企業分析の基礎編です。
私たちは、はじめて企業分析に取組む場合、「定量的な分析」から入ることをお勧めしています。理由は、定量的な分析は数字に表れる事実(ファクト)に基づいており、事業の実態に即して地に足のついた議論ができるからです。「定性的な分析」から入ると、「戦略」や「ビジネスモデル」など、どこかで聞いたことがある言葉が飛び交いますが、議論は印象論にとどまり実質的には何も残らないことがしばしばあります。定量的な分析を理解した後に、定性的な分析に入ることが「企業分析をできるようになる」には定石だと考えます。
本プログラムは、大きく「売上高の分析」と「費用構造の分析」で構成され、最後に利益シナリオを検討します。売上高の分析では、「市場規模×市場シェア=売上高」と「販売単価×販売数量=売上高」で事業を捉えます。費用構造の分析では、変動費率と固定費に着目し、事業の仕組みの特徴を捉えます。
本プログラムで扱うコンセプトは、企業分析や財務分析に馴染みがある方なら誰でも知っている本当に基本的なものだけです。しかし、これらのコンセプトを「聞いたことがある」または「分析結果を見て何となくわかったつもりになる」ことと、「自分で使いこなしてゼロから分析できる」ことには、非常に大きな違いがあります。本プログラムでは、これらを自分で使いこなすことを目標に、実際に企業を分析していきます。
本プログラムは、事業会社のマネージャー研修や金融機関の若手社員の研修で多く取り扱っていただいています。特に、金融機関で新入社員の研修に本プログラムを提案すると、難しすぎないかご心配をいただくことがありますが、一般的な社会常識があれば前提知識がなくても取組めるように制作されています。「会社の見方が変わった」と感想をいただくことが多い本プログラムを、社員育成の基礎としてぜひご活用下さい。
本プログラムは、決算説明会資料などに記載される損益計算書に基づいて定量的に事業を理解することを目指します。貸借対照表やキャッシュフローは扱いません。
具体的には、損益計算書などの一般的な開示情報と統計情報を参照し、以下のような水準のやり取りができることを目指します。
本プログラムは基礎レベルですが、受講者には、このような情報をインターネットなどで調べて参照することではなく、決算説明会資料などの基礎的な一次資料から自ら考えられることが期待されています。
以下のようなトピックに具体的には取り組みます。実務でどのように取り組むか、少しでも不安がある場合は、本プログラムで体系的に考え方を確認し演習に取り組むことが役立つでしょう。